アメリカ食事情色々

 アメリカでの食事ははっきり言って、あまり良くない。けれど幾つか面白い経験をしたので、まとめて書いてみます。

リリーズの朝食
 ホテルのレストランリリーズの朝食バイキングは、楽しい。品揃え抱負で、特に週末の朝食バイキングでは、オムレツとワッフルの実演がありました。オムレツは、みじん切りにした野菜や、ハムの入ったバットに綺麗に並べられ、あれとこれと、これを入れて、と言えば好みの具のふかふかオムレツを目の前で、焼いてくれるのです。ワッフルも注文すると、魔法使いの様な手際で、できたて熱々を焼いてくれます。これは見ているだけでも楽しい。美味しそうで、待っている間涎が出てきます。

ルームサービス

 ピザを注文したことは、もう書きましたが、ブリードカウンシルの会議がおわった後は、もう街のレストランは閉まっている時間(だいたい10時には閉まってしまうのです)、仕方がないのでルームサービスを取ることにしました。これは結構美味しかった。スープはこってりポタージュで、まるでクリームシチューの様な感じです。ビーフは去年の経験から堅くてまずそうだったので、ポークを頼みましたが、これは甘いソースがかかっていて、それにぱさぱさっとしたライスが添えてあり、なかなか美味しかったです。それにサラダや飲み物をプラスしました。大きなワゴンで食事が運ばれて来て、それをそのまま部屋で、テーブルとしてセットしてくれます。ワインやビール、持ち込みの日本酒などと共に頂きました。値段もそんなに高くないのです。日本でこんな豪華なフルコースに近いルームサービスを取ったら、いったい幾らになったことでしょう。

レストラン タツ TATSU
 去年行って、すっかりこのレストランが気に入ったS夫妻は、今年もホテルからタクシーを乗り付けて、みんなでこのレストランに行きました。ちょうど週末の夜だった事もあって、予約は少し遅い目の時間にしか取れませんでしたが、閉店までの間、ゆったり食事をすることが出来ました。

 食事の世話をしてくれたのは、フランスから来たという、面白い二人のウエイターで、ビールを注ぐ時失敗して、泡があふれ少しこぼしてしまうと、お詫びにともう一本サービスしてくれました。S夫が運ばれてきたワインを味見する際、芝居がかった様子で、ワイングラスを回し、香りをかいで見せると、二人はさらにうやうやしく、でもおどけた様子で、みんなにワインをついで回ります。そんなこんなで、すっかり仲良しになって、くつろいでしまいました。そして、食事が終わり、タクシーを呼んでもらうようにお願いすると、シェフの中に、同じ方向に帰る仲間がいるから、もう少し待っていたら送ってあげるよと言うのです。店のオーナーで、シェフのタツオさんも出てきて、どうぞどうぞ、良かったら送らせて下さいと言ってくれます。

 タツオさんは福島出身で、もうこちらに来て20年以上になるそうです。カンサスは田舎町なので、素材にお金をかけて高い料理を作っても、食べに来てくれる人がいないから、自分の思う料理の7割くらいのものしか出来ない。シカゴの様な都会に行けば、そういったことも出来るだろうが、ここカンサスは住んで、子供を育てるにはホントに良いところで、気に入っている、と少し福島訛りでお話してくれました。どうも、このレストランでは、もっと安いセットニューがあって、皆さんそれを注文しているらしい。私達は、オードブルからメインディッシュ、デザートとフルコースで料理をそれぞれ注文した、とても良いお客さんだったようです。でも、これだけ豪華に食事をして、お酒も飲んで、一人5000円くらいでしたから、やはり安い。それにホテルまで帰りは送ってもらい、大満足でした。

レストラン サボイ
 ここは、ショーホテルの裏側にある、グリルのレストランで、内装はかなり古く、由緒ある、ヨーロッパ調のステキなレストランです。ここでカンサス最後の夜を、楽しむ事にしました。メニューにはカニや海老、ロブスターと言ったシーフードがあり、セットメニューも何種類かあります。S夫とNちゃんはそれぞれカニや海老がメインとなったセットメニューを選びました。ところがそれではおさまらないのが、S妻です。ロブスターがあるではありませんか。だいたいの重さによって、3ランク位に分けられています。一番大きなロブスターは、お二人用と書いてあります。アメリカまで来たのだから、巨大ロブスターを話の種に食べて見たい。と強く主張し、Mちゃんを巻き込んで、二人で食べる事にしました。S夫は以前仕事でアメリカ旅行をしたとき、巨大ロブスターを食べた経験があるので、よせよせ、と言いますが、いくら言われても納得しません。おまけにメニューで、カエルの足のフライ、と言うのを見つけて、これもみんなで食べて見ようと、大はしゃぎです。

 料理が運ばれてきて、まずは巨大サラダで、お腹がかなり一杯になってしまいました。そして、次にボイルしたロブスターが運ばれて来ました。とにかくでかい、あまりの大きさに、「うそーこれを食べるの、」と見ただけでげんなりです。「とりあえず爪は美味しいから、爪を食べろ」と、S夫は言うのですが、その爪のでかくて、堅いことと言ったら、付いてきたカニを割るハサミでは、歯が立ちません。どうすりゃ良いの状態です。ウエイターのステキなお髭のおじさまが、笑いながらやってきて、「ハンマーがいりますね、」と言います。結局、一旦ワゴンに爪を下げて、そこで一生懸命、食べられるように割ってくれました。味の方は、正直言ってちっとも美味しくなかった、爪はまあまあでしたが、同体の方は大味で、あまり海老らしい味がしません。

 教訓、ロブスターはでかければ良いと言うものではない、程々の大きさの方が、きっと美味しいのだと思います。カエルの足のフライは、鳥ササミのようで、なかなか上品な一品でした。けれども、まるで手羽先の空揚げの様に、お皿にたくさん盛られています。既にお腹が一杯で、カエルフライはなかなか減りません。ウエイターのおじさまが、それとなくその様子を見ていて、「お持ち帰りにしますか?」と聞いてくれました。アメリカでは、レストランにお持ち帰り様紙パックが用意されているようで、けっこう皆さん、食べのこりは積めてもらって、持ち帰って帰っているようでした。