***シマ子流、メインクーン・スタンダード解説***
ひょんな事から、私たちはCFAのショー・スタンダードとショールールの翻訳をするという大役を仰せつかってしまいました。
以来、こまめに時間を作って、仕事の合間や夜なべに、パソコンに向かう日々で、大変でしたが、何とか終えてしまうと、それも、けっこう面白い作業であったとも思えます。訳す右から左へと頭の中を通り過ぎて行って、どれだけ自分自身の知識として残ったかと思うと、それは疑問ではありますが、その時々、訳しながら面白いなと思ったところも、たくさんありました。特に毛色については、猫種によって、遺伝的には同じ色であっても、呼び方が違っていたりして、逆にそこから遺伝子型を想定することは、私にとっては、とても興味深いことでした。
ところで、固いスタンダードを訳していると、スタンダードですから、勝手な意訳をするわけにもいきません。固い文章で、できるだけ原文に忠実に、という事になります。自由に加筆表現することもできませんから、日本語に置き換えづらい英文独特のニュアンスに頭を悩ませ、自分の文章力のなさを感じ、もどかしくて、ちょっと欲求不満になりました。.....で、メインクーンについて、好き勝手に加筆、解釈して、スタンダードを解説すれば、ちょっとスッとするかしらと、そんな風に思え、以下に、そんな気持ちを発散させてみました。スタンダードは著作権がCFAにあるわけですから、それをまる写しして、サイトに掲載するのはどおかな?と思いますが、個人的解釈なら、OKでしょう(かなあ?)。というわけで、言いたい放題、シマ子流、メインクーン・スタンダード解釈、お楽しみ下さい。これは、私の個人的解釈ですので、何か問題があっても、当方は責任をとりかねます。その点、ご了承くださって、読み物として、ご覧下さい。
***2004年5月より、パッチドタビー、パッチドタビーアンドホワイト、トーティーシェル、トーティーシェルアンドホワイト、ブラックアンドホワイトが独立したカラークラスとなりました。それに伴い、メインクーンの毛色の部分を追加訂正しました。(2004年5月)
***2005年5月より、シルバータビー、レッドタビー、シルバータビー&ホワイト、レッドタビー&ホワイトが独立したカラークラスとなりました。それに伴い、メインクーンの毛色の部分を追加訂正しました。(2005年4月末日)
===配点===
頭 (30)
形 .......... 15, 耳 ........... 10, 目 ......... 5
体 (30)
形 .......... 15, 首 ........... 5, 脚と足 ........ 5, 尾 ........... 5
コート ................ 20
カラー(15)
体のカラー ..... 10, 目色 ...... 5
バランス ......... 5
全般:メインクーンは、そもそもワーキングキャットと言って、ネズミをはじめとする小動物を狩るハンターであった猫達が祖先です。だから、体はがっしりして、いかつい感じで、厳しい気候に耐える忍ぶ事ができるたくましい猫です。メインクーンの他の猫種とちがっている特徴は、スムーズで、段カットしたみたいな、シャギーな毛を持っていることです。身体は、均整がとれていて、大げさな部分がなくて、自然な感じの猫です。大きい猫種だけれど、だからといって、ただ大きければ良いというものではないです。ちゃんとメインクーンらしい特徴を持た子の方が、ただでっかいだけの猫よりは、良いメインクーンです。例外もあるけど、だいたいは気だてが優しく、色々な環境にうまく順応してくれる、飼いやすい猫です。
頭の形:どっちかと言うと、長めの顔で、四角いマズルをしています。歳がいってくると男の子、それも、子づくりをがんばっている男の子(スタッド)では、顔が横にはってくるけど、それは自然なことだから、大目にみて審査の時に配慮してもらえるはずです。頬骨は高いです。
マズル/ 顎:マズルは、はっきり四角いのが良いです。マズルの長さは中位で、横から見ると、四角いままで、先端が、すぱっと真っ直ぐな感じで、途切れたように終わっています。それで、さらに、マズルが四角い感じに見えるわけで、口元が先細りになったり、尖っていたりしているのは、よくありません。マズルは四角く、大きいのは良いことなんだけど、大げさな所はない猫なんだから、頭の他の部分とちゃんと釣り合いがとれていなければ、いけません。感じよく、おおきい、四角いマズルであることが、大事です。顎は強く、しっかりしていなければいけません。横から見たときに、上唇と鼻が、同じラインに真っ直ぐ揃っていなければならないし、下顎は、薄くてはだめで、ちゃんと見た感じで、厚みがなければなりません。下顎は鼻先からの垂直なラインに直角の角度で出くわすよう、しっかりしていなければなりません。顎が薄くて、先端へと細くなっていいては、強くしっかりした顎とはいえないから、メインクーンの場合、良い顎とはいえないですね。
横顔:頭の全体の長さに釣り合いがとれていなければならないから、間延びした長い横顔も、寸詰まりの短い横顔も良くないです。横からみると、わずかに鼻筋に窪みがなけれはならないです。いわゆるジェントルカーブっていうものですね。ジェントルカーブなんだから、スムーズなカーブで、極端な出っ張りやこぶが鼻筋にはありません。このカーブがなくて、鼻筋は真っ直ぐなのは良くないし、がくっと向きが変わっていたり、筋が入ったみたいなへこみ方をしていても、それはジェントルカーブとはいえないから、良くないです。
耳:形:大きくて、タフトと呼ばれる、耳の中の飾り毛はたくさんあります。耳の付け根は幅が広くて、尖った感じに先端へと細くなっています。全体が細くとがった耳ではなくて、耳の根元はしっかり、幅広でなければ、大きな耳とは言えませんね。耳付き:耳と耳の間は、耳の幅一つくらいの間隔があって、耳が斜め横へと、だらしなく派手に広がっているのはよくありません。きちんと真っ直ぐ立っているのが良いです。
目:大きくて、生き生きと表情豊かで、目と目は離れていています。寄り目になってはいません。耳の外側の付け根の方へと、やや斜めに上がっています。
首:首は短くはないし、長いわけでもなく、中位です。
体の形:筋肉質でしっかり固い体です。胸の幅がひろくて、がっしりしています。中位から、大型の体で、雌は雄より小さいのが普通です。長い体でなければなりません。釣り合いよくバランスがとれて、からだ全体を見渡すと、長方形に見えます。体のどの部分をとっても、しっかりしていて、ひ弱な部分がなく、全体をがっしりした感じに見せています。ゆっくり成長するので、若い子が、小振りなのは当然なのなのだから、その事をは配慮して、ショーでは審査されなければなりません。
脚と足:脚もがっしりしています。脚と脚が寄っているのではなく、胸幅があるから、脚も幅広く付いています。脚の長さは中位で、からだと釣り合いがとれています。前足は真っ直ぐだし、後ろ脚も、後ろからみると、真っ直ぐに付いています。足先のポウの部分は、大きく、丸くて、脚の指の間から飾り下がはみ出しています。足の指の数は、前は5本で、後ろは4本です。
尾:尻尾は長いです。付け根は太くて、先細りになって、毛が長く、さらっと垂れ下がった感じになってます。
コート:ふわふわ立ち上がった毛ではなくて、重みがあるから、体にそって、垂れ下がった感じになっていて、段カット入れたみたいな、不揃いなシャギーな感じです。肩の所の毛は短くて、お腹の部分や、後ろ足の、ニッカズボンはいたみたいな毛の所は、長くなっています。ラフと言って、胸の前の所に、襟飾りみたいに、長い毛があった方がいいです。(無いこともあるけど、それに襟巻みたいに首の回り全体にあるのは、良くないです)。手触りはサラサラでシルクみたいで、毛が体にそって、スムースに垂れ下がった感じになってます。
減点:毛が短いことや、体全体が、どこも同じ長さの長い毛で覆われているのは、よくありません。ちゃんと毛の長い部分と短い部分のメリハリがなくては、減点です。
失格:骨格が華奢なのはダメです。がっしりしていなければ。アンダーショットと言って、下顎が前に出過ぎているのはいけません。そんな時は、かみ合わせた時の歯並びを見て判断しましょう。下の前歯が、上の前歯の前に出ているような噛み合わせをしていたら、それがアンダーショットと言うことになります。斜視も失格です。キンク、つまり、どこか折れ曲がりのある尻尾も失格。足の指の数が正常でないのも失格。ホワイトのボタンやロケット、ホワイトのスポットが不適切な所にあるのは、失格。(でも、アンドホワイトなら、分からないよね???:余談)。ハイブリダイゼーション、つまりは他の品種との間に出来た雑種(いわゆるミックス)だと見ただけで判断できる毛色、チョコレートや、セーブル、ラベンダー、ライラックと言った毛色の事です。ヒマラヤンみたいな、ポイントにだけ色がついているような猫、アビシニアンみたいに、一本一本に毛の染め分けがあるのに、それが全体としてちゃんとマッカレルやクラッシックタビーの模様になってない、つまりは、アビシニアン柄の子(ティックドタビーと言います)、こういった猫達は、他の猫種と過去に混血している証拠だから、失格です。(もともと、メインクーンの遺伝子プールにない色やパターンですからね:余談)。
メインクーンの毛色
(詳しい毛色の記載は、CFAが発行しているスタンダードの本を読んで下さいね。
英語版は、CFAのサイトに行けばファイルがあります。
日本語版は、CFAの日本リジョン事務局に問い合わせれば、買うことが出来ます。)
ソリッドカラー
ホワイト, ブラック, ブルー, レッド, クリーム
ブラウンタビーカラー
(クラッシック、マッカレル)
ブラウンパッチドタビー
(クラッシック、マッカレル)
シルバータビー
(クラッシック、マッカレル)
レッドタビー
(クラッシック、マッカレル)
その他の全てのタビーカラー
ブルー、ブルーシルバー(クラッシック、マッカレル、パッチド),
クリーム、カメオ、クリームシルバー(クラッシック、マッカレル),
ブラウンタビー&ホワイト(バンを含む)
(クラッシック、マッカレル)
ブラウンパッチドタビー&ホワイト(バンを含む)
(クラッシック、マッカレル)
シルバータビー&ホワイト(バンを含む)
(クラッシック、マッカレル)
レッドタビー&ホワイト(バンを含む)
(クラッシック、マッカレル)
その他の全てのタビーアンドホワイトカラー(バンを含む)
ブルー、ブルーシルバー(クラッシック、マッカレル、パッチド)
クリーム、カメオ、クリームシルバー(クラッシック、マッカレル)
トーティシェル
トーティシェルアンドホワイト
ブラックアンドホワイト
その他のパーティ-カラークラス
キャリコ, ダイリュートキャリコ, ブルークリーム、バイ-カラー, バンバイ-カラー、ブルークリームアンドホワイト
その他のメインクーンカラー
チンチラシルバー, シェーデットシルバー, シェルカメオ(レッドチンチラ), シェーデットカメオ(レッドシェーデット), ブラックスモーク, ブルースモーク, カメオスモーク, ブルークリームスモーク, トーティースモーク, スモーク&ホワイト, シェルクリーム, シェーデットクリーム, シェルトーティーシェル, シェーデットトーティーシェル, シェルブルークリーム, シェーデットブルークリーム, キャリコスモーク, ダイリュートキャリコスモーク
チンチラシルバー&ホワイト、シェーデットシルバー&ホワイト、シェル/シェーデットカメオ&ホワイト、シェル/シェーデットクリーム&ホワイト、シェル/シェーデットキャリコ、シェル/シェーデットダイリュートキャリコ
***メインクーンのスタンダードに関して、沢山の写真を使い、実例を挙げて解説がなされているサイトです。是非御覧下さい。
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