係留所へ面会に行く (04.15.2000)


ルビーちゃんが係留施設に入って数日後に、
私、妻の方は、既に一度、時間休を取り、仕事を早退して、
ルビーちゃんの面会に行っています。
係留所の面会時間は、午前11時から午後5時までなので、
仕事を持っている人には、ちょっと大変です。
でも、今日は土曜日、休みの日なので、
夫婦そろって、ルビーちゃんの面会に行くことにしました。
とても楽しみです。

コームと、猫のおもちゃと、好きかどうかは分かりませんが、
茹でた鳥肉も持っていくことにしました。
そしてもちろん忘れてはならないのは面会証です。
昨日のうちに、係留所へは電話を入れて、
今日、11時頃に二人で面会に行く事も伝えてあります。

私たちは車を持っていないので、お友達に乗せて貰うとき以外は、
いつも電車やバスを乗り継いで、お出かけします。
係留所は成田駅からバスで25分くらいのところですが、
そのバスが、30分に1本位しかないので、
そこがちょっと面会に行くのに辛いところですね。
タクシーなら成田空港第二ビルから3000円位かかるそうです。

バスを降りて、5分くらい歩くと、係留所のゲートがあります。
でも、そこは係留所の看板が出ているわけではなく、
厳めしい金属のフェンスに囲まれた、空港の敷地内への入り口でもあるのです。
守衛さん(空港警察官?)が2、3人立っていて、
車両が出入りする度に、いちいち大きなゲートの開け閉めをしています。
とても厳重な警備状態です。
けれども、私達がゲートの前まで行き、猫の面会に来たことを告げると、
警備の方達は、親切に私達を迎えてくれ、
「ちょっと行って左側ですよ。すぐに分かりますよ」
と、係留所の場所を教えて下さいました。

教えて頂いたとおり、少し行くと、左側に係留所の看板と、
建物のの配置図があり、特殊動物舎、犬舎等と書かれています。
初めて面会に行った時は、建物の入り口が分からなくて、戸惑いました。
建物は、これだろうと思うのですが、
受け付けや、エントランス風な物が何もなく、
建物そのものが、高い金網のフェンスで完全に囲まれているのです。
仕方がないので、隣のフェンスに囲まれていない建物に入って行って、
そこにいらした方にどこに行けば良いのか、聞きました。
結局、職員の方に、入り口まで案内して頂きましたが、
自分で物々しいフェンスの金属の留め具を開けて、入るのでした。

猫が係留されているのは、特殊動物舎の2階です。
その建物の2階全体が猫専用の部屋で、
1階は狐やアライグマ、スカンクの係留場所になっているようです。
建物内部は中央の入り口や階段、その付近に用意された面会室しか、
立ち入りは許されていませんが、
ぱっと見回した限りでは、とても清潔で、
臭い等の、動物のいる気配は全くしません。
まるで、病院の検査室か何かの様な雰囲気です。
建物に入って、面会に来たことを告げると、驚いたことに、
係留室でくつろいでいるルビーちゃんの写真を、
職員の方が持ってきて下さいました。
ルビーちゃんが、私達が持ち込みをお願いした縁のある猫用クッションに、
すっぽり入り込んで、寝そべってこちらを見ている写真です。
「クッションの上掛けを、なぜかとても器用に畳み込んで、トイレに入れるのですよ。
一度、入れている様子を見てみたいんだけれど、
まだ、見たことはありません。」
と笑いながら、日頃のルビーちゃんの様子をお話して下さいました。

面会室は、中が椅子が一つ置いてある一畳程の小部屋に分かれています。
少し待っていると、滅菌可能な金属製のキャリーに入れて、
職員の方がルビーちゃんを運んで来て下さいました。
他に誰も面会に来ている人がいなかったので、
小部屋に隠ることもなく、面会室全体に中から鍵をかけて、
広々と、ルビーちゃんを抱っこしたり、コームを入れてやったり、
おもちゃで遊んでやったり、することが出来ました。

ルビーちゃんは見慣れない、面会室の中で、
体を低くして、用心深く、あちこち歩き回っていますが、
私達が、さわると、グルグル言いながら、すりすり甘えてくれます。
ペットホテル等に預けると、猫にはよく
様々な臭いが染み着きますが(特にトイレ砂と犬の臭い)、
ルビーちゃんは決してそんな事はなく、
ルビーちゃんの背中に顔を埋めて、大きく息を吸っても、
ほとんど体臭のない、健康な猫の臭い(?)がするだけです。
なんだか、とても安心しました。
職員の方々も、ルビーちゃんが運ばれてくる前に
「ルビーちゃん、パパとママがいらしてるよ。」
と声が聞こえたり、その様子が、動物一匹一匹を名前で呼びかけてくれて、
とても、可愛がって下さっているようです。

飼育管理会社のパンフレットを読むと、特別管理費とあって、
特別食、シャンプー、トリミング、ワクチン接種等は別料金になります。
と、書かれています。ということは、逆に考えると、
そのような係留観察に関係のないケアも、
料金を払えばお願い出来ると言うことでしょう。
犬、猫のトリマーの方もスタッフとしていらっしゃるようです。
専任の獣医さんはもちろん、嘱託で普通に開業なさっている獣医さんも、
出入りなさっているようです。

そこで、前回面会に行った時に、
FIP(正しくはコロナウイルス)の抗体検査をお願い出来ないか、聞いてみました。
その時は、「別料金になりますが、宜しければ獣医さんに聞いておきます。」
と言って頂けました。
そして、今日面会を終えて、帰り際に、職員の方が、
月曜日に獣医さんが採血して、検査に出すそうですが、
結果が出るのは、係留が開けてからになるかもしてませんので、
その時には、結果はファックスか郵送致します。
と、こちらの検査の希望を受けて下さっていました。
家にルビーちゃんを連れて帰っても、
しばらくは、他の猫と隔離して様子を見なければと、思っていましたが、
係留期間中にこのような検査もお願い出来るとすれば、
かえって、この隔離期間も、有効活用できます。
なんだか、ちょっと得をした気分です。

帰り際に、にわかに猫達の声が聞こえはじめました。
どうも、複数の猫達が、それも子猫も混じった鳴き声が、
ウニャウニャ、聞こえて来ます。
ガラス越しに、廊下を見ると、
普通の、キャリーがワゴンに積まれて、運ばれています。
後で聞いた話ですが、今日係留を明ける子が何頭かいて、
キャリーに移していたのだそうです。
「キャリーに入るのが嫌で、ニャーニャー鳴く子がいるのですよ。」
と、職員の女の方が笑って教えてくれました。
いいな、早くルビーちゃんもお家に連れて帰りたい。

さあ、ルビーちゃん、今度会う時は、
お家に連れて帰る時だからね。
もう少しの間、いい子にしていて、係留所の方々に可愛がってもらってね。


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