インターナショナルキャットショー

いざキャットショーへ出陣
 ショー会場のローズバートルホールは、早朝から開いています。もう勝手が分かっているS夫妻は、早朝、皆と会場が混まないうちに、さっさと受け付けを済ませ、猫なしでベンチングケージのセットです。そして、一旦ホテルに戻りゆっくり朝食を済ませ、猫のグルーミングをして、再度猫を連れて会場に行きました。

 今年の参加頭数は、キツン693頭、チャンピオンシップ398頭、プレミアシップ116頭、プロビジョナルとして、ラグドール20頭、セルカークレックス14頭、さらにはMiscellaneous Breed として、10頭、展示のみとして3頭のターキッシュバンの参加があり計1304頭のエントリーです。やはりキツンクラスの多さには驚かせれます。それにプレミアシップも、かなりの数です。インターナショナルショーは、通常の一ショーシーズンを通しての競争とは全く別枠で行われ、そのショーだけでの得点を競う、お祭りの様なショーです。 けれどもリジョンを超えて、多くの参加者がカンサスというアメリカのど真ん中の都市(と言っても、カンサスシティーは小さな市ですが)に集まり、先のオシキャットのブリーダー達のグループの様に、「みんな元気だった、どお、頑張ってる?」と言った調子で年に一度集う、楽しいショーです。カタログを見る限りでは、日本からも26頭のエントリーがあったようです。さらにアメリカ、日本以外の地域から、おそらくはヨーロッパからなのでしょう、12頭のエントリーがありました。S夫妻、Mちゃん関係のブリードであるメインクーンは、チャンピオンシップで50頭といつもながらの激戦です。 一つのブリード、ディビジョンの数としては、最も参加が多い種類です。メインクーンのキツンに至っては68頭、プレミアも21頭、トータル139頭でダントツの出陳頭数です。Nちゃんのブリード、オシキャットも日本ではほとんどブリード内で競争相手がいない状態ですが、ここでは、65頭、しかも、なぜか、そのうちのキツンが41頭と、信じられないような数です。

審査風景

 今年は去年と違って、いつものショーのように、タイトルに沿って審査されます。だから青リボンはもらいやすい。チャンピオンのMちゃんの愛猫クマちゃんも、S夫妻のスターちゃんも頑張りました。けれども上には多くのグランドチャンピオン達が控えています。それも、現時点でリジョナルやナショナルのアワードを目指して走っている強豪ぞろいです。青リボンは貰えても、黒白のカラーのリボンが着くところまでは至らず、ちょっと残念でした。でも、素晴らしい猫達を間近で見れて楽しく過ごす事が出来ました。2匹ともショーマナーも良く、いい子でいてくれました。全く知らないメインクーンの参加者の一人が、わざわざ私たちの所に来て、スターのヘッドが素晴らしいと、誉めてくれました。こういった向こうの方々との交流も、とても楽しいものです。

 頑張ったのは、Nちゃんのリュー君です。オシキャットのキツン41頭の中で、一リングだけではありましたが、ブリードの4位をもらって、大喜びでした。
 広い会場を猫を持って歩き回るのは大変でした。自分の猫の番号が上がるのを見届けて、慌てて控えのケージまで戻って、また猫を持って審査リングまで行くのに、かなりの距離があります。特にメインクーンは二日目に4リングも審査があり、とても忙しく、へとへとになりました。でも、おかげで、3日目はまるまる一日空きが出来て、それなら、カンサスシティーの街を探検する時間が出来るぞと、ちょっと嬉しくもありました。

バリニーズのブリーダーにご挨拶
 審査の合間をぬって、Fママに頼まれていた、バリニーズのブリーダー T婦人の控えのケージを訪ねました。インターナショナルでも バリニーズはまだ希少種、全部でたった5頭のエントリーしかありません。 しかし彼女のブリードした猫達は優秀です。 あるリングではチャンピオンシップのベストキャットを取っていましたし、 他にも沢山のファイナルに残っていました。後で聞いたところでは、 結局チャンピオンシップの6位で、5位まで表彰されるのに惜しかったわ と言っていました。また、プレミアシップに出ていた男の子も とてもステキな子で、この2頭は、おそらくは今年度のナショナルウイナー になることでしょう。

 T婦人は笑顔がとても可愛らしくてステキな人で、「Fに伝えてね」 とFママの所に行った、彼女ブリードの猫のために、 バリニーズのグルーミングの仕方を細かく伝授してくれました。 Fママの子も、今の彼女ブリードのナショナルランナーの子も、 みんな同胎の兄弟姉妹です。T婦人はFママに宛てたE-メールの中で 今のラインを作りあげるのに、どれだけ大変だったかを語っています。 10年にもわたる苦労の末、今の私のバリニーズを作り上げた と、誇らしげに語っています。実際彼女のバリニーズは、 去年度バリニーズとして初めてNWのタイトルを取りました。しかもそれは 10位という素晴らしいものでした。そして今年も、彼女のブリードの中から、チャンピオンシップと、プレミアシップでそれぞれ一頭ずつ、NWが出ることでしょう。将に、彼女のラインは長年の苦労が花開いた、絶頂期にあるのでしょう。この優しい笑顔の中に、どれだけの闘志隠されて居るのかと思うと、不思議な気がします。猫をとても可愛がる優しい面と、ブリーダーとして猫の価値を見極めるクールな目とを持ちあわせた本当に素晴らしいブリーダーだと思いました。

ショー最終日はそれぞれに
 更に特記すべきは、Mちゃんが一目惚れをした、カールの女の子です。 アメリカンカールもまだ希少種なので、ロングヘアー部門で たったの6頭しかエントリーがありません。で も、キツンで3つのファイナルに入り、最終日には ベストアメリカンカールキツンとして、表彰されることになりました。

 最終日の審査は午前中で終わり、午後からは大きなリングが用意されて ベストオブベストの表彰とベストインショーを決めるための最終審査が行われます。 Mちゃんは、カールの女の子の表彰を見届けるために会場に残りました。 S夫妻とNちゃんは、午後からは、カンサスシティーの街を探検すべく シティーセンターへタクシーで繰り出すことにしました。

 シティーセンターは、デパートやレストランや様々なお店が集まったカンサスシティーの中心街です。でも、日本の様に、人でごった返した雰囲気はありません。みんなゆったりと、買い物を楽しんでいます。クリスマス前と言うこともあって、デパートには沢山のクリスマス用オーナメントがあり、とても綺麗でした。お天気も良くて、11月末とはいえ暖かく、イタリアレストランの屋外で食べたパスタは、美味しかった。