カンサス初日は暮れてゆく

マリオットホテルダウンタウン到着
 さあ、無事にS妻とMちゃんは、ホテルに到着しました。これで一安心。もう後は、今回の唯一男性同行者S夫が来るのを待てば良いことです。チェックインを済ませ、お部屋に到着です、と言いたいところですが、実はS妻ここでちょっと失敗。去年泊まった部屋は2階にある渡り廊下(スカイウォークという立派な名前が付いています。)を通って、別館でした。今年もそこだと思いこんで、長いホテルの廊下をえっちら、おっちら、猫や重いスーツケースを引きずって大汗かいて移動したのでしたが、実は私たちの部屋は、本館、フロントの横のエレベーターを上がれば直ぐとというとても便利な所だったのです。この移動の間、荷物の重かった事と言ったら、何しろMちゃんの大きなスーツケースには、日本製猫用缶詰めが沢山入っていたのです。嗜好性の高い(つまり猫にとってはとても美味しい)日本製猫缶は、病気で食欲をなくした猫にはとても良いと、懇意にしているアメリカのブリーダーからお土産のリクエストがあったのだそうです。重いスーツケースは、ホテルのふかふか絨毯にキャスターが埋まって、動かないのなんのって、、、重くて大変な思いをさせてしまって、Mちゃん許してね。ごめんね。。。

 ホテルの部屋で猫達のテントをセットし、無料で提供されている猫のトイレを用意してほっと一息着いたところで急にお腹が空いて来ました。もう午後3時くらいだと言うのに、お昼ご飯も食べていない。時差もあるので時間の感覚も狂っています。でも、とにかくお腹が空いて死にそうです。そういえば、チャックインしたとき、いきなりフロント横のレストラン「リリーズ」からウエイターが出てきて、昼御飯食べるか,と聞いてきました。レストランのランチタイムが終わる所だったのです。その時は、部屋にたどり着いて早く猫達の世話をすることに気が取られていましたから、それどころではなかった。ところが、今はこんなにお腹が空いているというのに、時すでに遅し、ホテルのレストランはどこも開いていないのです。

 部屋にはピザの出前のパンフレットが置いてありました。もうこれしかありません。でも、、、ああ、また英語で電話をしなければ、S夫とシカゴで分かれて以来、少し緊張の続いたS妻は、疲れたことや、お腹が空いた事もあって、少し情けない気分になってきました。でも、ボーとしていても、食べ物は出てきません。電話でピザの種類の注文が思い通り出来るか不安ではありましたが、頑張って注文しました。ことのほか注文はスムーズに言って、最後に何人ですかと聞かれたので、二人だよと答えたのですが、電話を切った後で、でかいピザが二枚来たらどうしようかと、そればかりが心配で、泣きそうな気分でした(ちょっと大げさかな。)。

 ドキドキしながら、待っているとほんの20分位でピザが運ばれて来ました。すらりとしたハンサムなウエーターのお兄さんが、優雅にワゴンを押して入って来ます。ピザはちゃんと一枚、注文したジュースやサラダ、お水のグラス2ヶに、取り皿も2枚、ナプキンにナイフとフォークもきちんと二人分を、美しくサイドテーブルをセットしてくれました。驚いた事に一輪ざしに花まで添えてあります。ピザとはいえ、なんと優雅な、、、そうでした、ここは実はかなりの高級ホテルなのでした。ほっとして、S妻もMちゃんも大満足のお昼ご飯(?)となりました。

まず第一の使命達成
 さて、お腹も満足し、人休みしたS妻には、まずやらなければならない使命が待ち受けて居ます。さっそく猫の受け取りをしなければなりません。Fママのオシキャットの引き渡しです。受け取る子は、もうRWのタイトルを持った、サンタクロースと言う名前の立派な大人の男の子で、特にオーナーにお願いして、スタッド(種オス)として、Fママのキャッテリーに譲ってもらうことになった子です。サンタクロースのオーナーは他にもショーに出すために、大人のオスを連れて来ているので、喧嘩をするといけないからと、早めにこちらで預かる事になっていたのです。フロントで彼女がチェックインしているか尋ねて、もう、到着していることは分かったのですが、でも部屋の番号は教えてくれません。セキュリティーのためなのでしょう。交換手に電話をかけて、相手の名前を言うことで、その部屋に繋いでもらうというシステムを取っていました。まずはそうやって彼女に電話をかけて、部屋番号を教えてもらい、直ぐに尋ねて行くことになりました。

 彼女の部屋を尋ねると、なんとそこは、オシキャットのブリーダー達が集まったサロンの様になっていました。沢山のブリーダー仲間達と、大きなケージをいくつも積み上げ、優に10頭以上のはオシキャットがそこにはいました。まるで動物園の山猫のコーナーを見ているような迫力です。部屋に入るなりS妻は息を呑み、絶句してしまいました。

 挨拶をして、握手をして、お待ちかねのサンタクロースと対面です。彼はバスルームに入れられていました。さすがRWのタイトルを持った子です。大きくてがっしり、持ち上げると筋肉がはじけんばかりの堅さで、手に伝わって来ます。彼女のお友達の一人が言いました。「私も彼の子猫を持っているのよ。もう彼とは会えなくなるのね、寂しいわ、記念写真を撮りましょう。」サンタクロースはみんなの人気者で、それぞれが抱っこして、キスして別れを惜しんでいました。

Nちゃん、S夫ホテル到着
 そうこうしているうちに、Nちゃん、S夫組がホテルに到着する時間となりました。S妻はホテルのフロント横のソファーで、二人の到着を待つことにしました。沢山の日本人参加者に出くわしました。ちょうどその日は,このホテルで若い日本人ジャッジが結婚式を挙げる事になっていて、フロント横がその結婚式参加者の待ち合わせ場所になっていたのでした。まあ、こんなに沢山、いつもキャットショーで見かける方々がいらしていたのかと、驚いたS妻でした。Mちゃんは、おめかしして、結婚式に参加しました。ステキな結婚式だったそうです。

 少し待っていると、NちゃんS夫も無事到着です。二人はなんだか元気いっぱいで、どうもシカゴ探検は楽しかったらしい。色々お買いものもしたようです。なんと馬用シャンプー(猫の毛質によっては、私たちはこのシャンプーを使っています。)の大きなボトルまでS夫は買ってきていました。それも日本で買うのよりはるかに安かったそうです。

初々しいオシキャットカップル誕生
 Nちゃんも、到着して一息着くと、さっそく子猫の受け取りです。日本からのお土産を持って、彼女はブリーダーのお部屋を訪問しました。将来、彼女のオシキャット、リュー君のお嫁さんになる予定の可愛い女の子です。リュー君もブリーダーのお部屋に一緒に連れて行って、オシキャットの品評会となりました。みんなリュー君のしっかりしたボディーを誉めてくれた様で、Nちゃんも大喜びです。Nちゃんの部屋に帰ったこの新しいオシキャットのカップルは、初め少しフーフー怒っていたようですが、子猫らしい無邪気さで、あっという間に打ち解けて、二匹でおもちゃを追いかけて、仲良く遊ぶようになったそうです。

ブロンド美人と赤いキャミソール
 Mちゃんもアメリカンカールの子猫の受け取りです。カールのブリーダーのC婦人は、ニューヨークでモデルをしていたというブロンドですらりとした派手な美人です。そのC婦人が、Mちゃんを捜していたらしく、日本人と見ると、Mを知っているかと何人もに聞いてまわっていた様です。Mちゃんは、ブロンドの美人があなたのことを捜していたよと、沢山の日本人参加者に言われる羽目になってしまいました。

 Mちゃんは、結婚式のパーティーから帰ってきた後、C婦人と連絡を取って、彼女の部屋を訪問しました。一人では心細い彼女にS夫とS妻が同行しました。夫君のMが私たちを笑顔で迎えてくれました。C婦人はシャワーを浴びているとのこと、受け取る日を待ちこがれていた子猫と対面し、あまりの可愛らしさにMちゃんがボーっとしている間に、「まぁーあなたがMなのね、」とC婦人がバスルームから出てきました。そ、そ、それがなんとミニの真っ赤なチェック柄のキャミソールという、しどけない姿、S夫は思わず息呑み、挨拶の言葉が出てきません。いやあ、本当にびっくりしました。

 部屋では、ご夫妻がショーに出すためにキツンで連れてきていた、可愛いカールの女の子が元気に遊び回っていました。何度かEメールをやりとりして、メール上ではMちゃんと親しくなっていたC婦人は、気軽にこの子もどお? あなたの子猫のお嫁さんにちょうど良いラインよ、あなたにだったら、特別に譲ってあげるよ、と勧めてくれます。Mちゃんはすっかりその可愛い姿に見せられ、思い切って譲ってもらうことにしました。帰りの飛行機の猫の予約を、こんな事もあろうかと、一頭分、余分にしておいて、本当に良かった。

お休みなさい
 その夜はホテルのレストランでイタリア料理のバイキング(正直言って、あんまり美味しくなかった)で食事を済ませ、明日の時間の打ち合わせをし、やっと長い一日が終わりました。まだこちらでは、18日の夜の11時ですが、日本ではもう19のお昼頃でしょうか。疲れてはいるのだけれど、眠いのか眠くないのか、訳の分からない変な気分です。とりあえずシャワーを浴びて,目覚まし時計をセットし,大きなベッドにもぐり込みました.